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なぜ職人がつくるモノに感動するのか

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今日、仕事から帰ってきて家族が見ているテレビを何気なく見ていました。

『メイドインJAPAN・日本の製品が世界そ救う』という番組で日本の宮大工職人4人がベラルーシに行き、狭いマンションでくらすおばあちゃんのためにリフォームをする、という内容でした。

職人はこころ創る

狭い部屋で娘夫婦(記憶では…)と一人の赤ちゃんと共にリビング、ダイニングキッチンともう一つの部屋で住むおばあちゃん。

大きなテーブルに占拠されたダイニングキッチン。
おばあちゃんの寝る部屋がないためため、リビングのソファで睡眠。
寒さが厳しいベラルーシで冷たく冷えたフローリングのリビング。

これらの問題を解決するために宮大工4人が家具を創ります。

それは日本の宮大工の技術を使い、素晴らしい家具を創っていくのですが、私が見ていて感じたのは技術よりも職人の方々が使う人のための「こころを創る」というところが非常に感動したポイントでした。

「こころを創る」とは使う人の気持ちになって、使う人が予想もしない未来を提供し、感動を与えることです。

職人の方々は、おばあちゃんの何気なく言葉にしたこと、また言葉にできないことを受け取り、想像力を用いて、家具を創っていきます。まさに想像力と創造力の結集です。

その原点は「喜んで長く使ってもらいたい」という愛情あふれたモノばかりでした。

職人が見ているのは未来

宮大工の方たちが創っていたのは、おばあちゃんのために2つに分けることができるダイニングキッチンを圧迫しないちゃぶ台型のテーブル。ちゃぶ台は角が丸く、動くスペースが確保しやすく、また赤ちゃんにとっても角がないため、けがを防止します。

冷たいリビングの床はクッションがきいたシステム畳を部屋に合わせてカットし、敷き詰めていきます。クッションのきいた畳は暖かさだけではなく、赤ちゃんのけがを防止します。

寝る部屋がないおばあちゃんのためにソファを改造します。クッションがきいた畳でソファを作成したのです。さらに畳を上に上げるとベッドに変身。布団は下に週のできるため快適に眠れる場所を創り出しました。

また職人は言われてもいないのにベビーベッドをリフォーム。ベッドの台を稼働できるようにし、将来は机になるように。

一つひとつのモノがアイディアと心がこもった暖かいものばかりでした。

職人たちが見ていたのはあきらかに未来です。

アメリカ的なマーケティングの発想では出せないモノばかりでした。マーケティング的な発想は、過去はこれが売れたなど過去のデータから売れるものを作り出します。

しかし、職人たちが創っているのは、未来です。そのため、過去のデータではなく使う人の未来を想像して創り出します。そのため、ただ使って便利なモノというのではなく、長く使うためのアイディアに溢れるものでした。

相手を想う心、使う人の「こころを創る」という想いがあるからこそ、アイディアが出るのだと私は感じました。

どんなに素晴らしい技術があっても心はつかめない

技術だけでは素晴らしいものはできません。素晴らしい技術があっても自分の思い込みでモノをつくって相手に提供しても喜ばれることはありません。

相手の立場に立って、未来を想像する。つかう人に幸せになって欲しい、という職人の魂があるからこそ素晴らしい技術が活きてきます。

心が60%。技術が40%

一流の職人を何人も育て上げている秋山利輝さんが著書
「一流が育てる秋山木工の『職人の心得』」
の中で書かれています。

心とは、使う人の「こころを創ること」。そのこころとは、相手の幸せを想像すること。そしてその幸せを叶えたいと思うからこそ、素晴らしい技術、創造力が磨かれる。

だから心を磨くことがとても大切なのだ、ということに気が付きます。

これはモノに限らずチームやどんなことでも同じです。
「こころを創ること」ということをもっと深めていく必要があります。

日本の文化のよさはまさに「こころ創る」です。

GT-R元開発者の水野和敏さんは日本の強み、文化のよさを活かした車をつくる、という想いから世界から称賛される車を創り上げました。

チームにおいても何においても、日本の強み、文化のよさを活かさない手はありません。もう一度足元を見つめ直す。私のテーマの一つです。

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