伝わるコミュニケーション。伝わらないコミュニケーション。
チームを作るにおいて、組織を形成していくうえにおいて、またよりより組織、チームをつくるためにコミュニケーションは欠かせないものです。
ここでは伝わるコミュニケーション、伝わらないコミュニケーションについて述べていきます。
「聞く」ではなく「聴く」
広辞苑にはコミュニケーションについて以下のように記載されています。
「社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える各種のものを媒介とする。
コミュニケーションは対話や会話を通して自分の思いを伝え、相手の思いを理解することです。
コミュニケーションで大切な一つに、相手の話しを「聞く」のではなく「聴く」ということです。どのような違いがあるのでしょうか。
「聞く」とは音や声などを自然に耳に入ってくる、ただ単に聞くことを指します。
「聴く」とは積極的に耳を傾けること、注意深く身を入れて聴くことを指します。
「聴く」というのは
「相手はなぜそう言っているのだろうか。」
「そのような言葉が出た背景は何があるのだろうか。」
など相手の想いを汲み取ろうとします。
しかし、「聞く」のほうでは相手の声が耳に入ってくるだけで、理解しようという思いが低いといえます。
コミュニケーションがうまくいかない一つとして、「話すために聞いている」があります。自分が話すことが大切で相手の話しがいつ途切れるか、スキがあれば自分が話すことがメインになっている状態です。
互いが理解している人同士であれば問題ないのですが、信頼を構築する段階でそのようなコミュニケーションはよくありません。
メラビアンの法則
メラビアンの法則とは、1971年に提唱された概念で、話し手が聞き手に与える影響について「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」それぞれの観点から数値化したものです。
別名「3Vの法則」「7・38・55ルールと呼ばれることもあります。
・言語情報(Verbal)-7%
・聴覚情報(Vocal)-38%
・視覚情報(Visual)-55%
言語情報 ー 言葉そのものの意味。話す内容。
聴覚情報 ー 声の質。話す速さ。声の大きさ。口調。
視覚情報 - 見た目。表情。しぐさ。視線。
なんと話す内容、言葉の意味は相手から見ればたった7%しかないというのです。それよりも声の質や口調や声の大きさ、見た目や表情や視線などから判断しているというのです。
たとえば「ありがとう」という一言。
この「ありがとう」という言葉を相手に目を合わせない、素っ気ない口調、暗い声、無表情で言われたらどうでしょうか。
「本当にこの人、感謝しているのかな?」
と考えてしまいます。
一方、しっかりと明るい表情で視線を合わせ、明るい声で言われたらどうでしょうか。前者の方とは違う印象を受けるはずです。
相手に与える聴覚情報や視覚情報はどこからくるのか
メラビアンの法則を参考にし、非言語的コミュニケーションの重要さを認識し、身だしなみを整え、ハキハキと明朗に話すことが重要だ、と解説しているがいらっしゃいますが、私個人的に感じるのは、少し浅はかというか、深みがないなと感じています。
そもそも聴覚・視覚情報はどこからくるのか。何に影響を受けるのか。
私が行きついた答えは
「信念」「想い」
です。
視覚情報や聴覚情報は氷山の一角です。聴覚・視覚情報を改善するために見た目(服装)を良くする、清潔にする、区長を変える、話す速さに気を付けるというのは大切なことです。
しかし、それでは抜本的な解決にはなりません。
より本質的な改善をするためには、「信念」や「想い」を変える必要があると考えます。
コミュニケーションの場で相手の想いを理解しようとしているか。相手から出た言葉の背景はどこにあるのかなど積極的に聴こうとしているか。自分の想いが態度や口調、表情に出てしまいます。
人はそんなに馬鹿じゃありません。いくら身だしなみを清潔にしてもハキハキ話しても肝心の自分の信念や想いが適切でなければ相手から見抜かれます。とくに優秀な人や鋭い人はすぐに見抜きます。
「相手を理解しようとする心」
「与える精神」
などがコミュニケーションに与える影響は大きいのです。
コミュニケーションがうまくできない、という人はまず自分の内面を見つめてましょう。そして話すことよりもまず「聴く」ことからはじめましょう。