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Googleが突き止めた成功するチームの特性

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Googleのプロジェクト・アリストテレスという計画をご存知でしょうか。
目的は生産性向上です。

チームの中でも生産性が高いチームもあればそうでないチームがある。
その違いはどこにあるのか。
何をどうしたらよいチーム、生産性が高いチームになるのか。

分析は統計専門のエンジニア、組織心理学や社会学の専門家まで、多彩な人材をフル活用して分析作業を行いました。

見つからなかったよいチームをつくるパターン

Googleの経営陣は最高の人材を集めることができれば最高のチームをつくることができると信じていました。

最高のエンジニアに、MBA、博士などその道のエキスパートをそろえれば最高のチームができると。

しかし、Google人事分析マネージャー、ジュリア・ロゾフスキー氏は
「それはまったくの間違いだ」
と断言しています。

スポーツの世界ではよくある話です。

常にスーパースターを揃えるサッカーのレアルマドリード。C・ロナウドに122億円、ギャレス・ベイルに131億円、ジダンに100億円、ハメス・ロドリゲスに97億円など大金を使いスーパースターを揃えます。

しかし、そんなチームでも毎年優勝できるわけではありません。

Googleにおいても同様でした。最高のメンバーを揃えても必ずしも最高の結果を生み出すわけではなかったのです。

プロジェクト・アリストテレスは2012年に着手され、社内のチームを対象に200以上インタビューを実施し、250以上のチーム特性を解析しました。

しかし、最高のチームをつくるためのアルゴリズム、明確なパターンが見つからないのです。

人員分析部門のマネージャー、アビヤー・ダビー氏は
「Googleはパターン抽出が得意なのに、Google本体には強力なパターンが存在しなかった」

チームメイト、社員同士は社外でも親しく付き合っているか
どれくらい一緒に食事をするか
学歴に共通性はあるか
外交的な社員を集めるほうがいいか、内向的なほうがいいか
同じ趣味を持っているか
強いリーダーシップをもった人がいるか
フラットな人間関係になっているか

チームメンバーの席
個人のパフォーマンス
仕事量
チームの規模
在職期間

などの項目を分析しました。
しかし、明確なパターンを見つけることができなかったのです。

糸口が見えた研究

分析を進める中、糸口が見えてきた研究がありました。それは「集団規範」をテーマにした研究でした。

集団規範とは、
「集団の成員に共有されている価値判断や行動様式の規準をいう。」
出展:コトバンク/ブリタニカ国際大百科事典

簡単に言うと
「それぞれの組織内にあるしきたり」
です。

Googleが突き止めた効果的なチームの力学

分析チームが研究の結果、突き止めたことを以下のように記しています。

「真に重要なのは、『誰がメンバーであるか』よりも『チームがどのように協力しているか』であることだった」

そして5つにまとめることができたのです。

1.心理的安全性「チームの中でミスをしても、それを理由に非難されることはない、と思えるか。互いの弱い部分もさらけ出すことができるか。何を言っても非難されない、無能だと馬鹿にされないと感じているか。」

2.信頼性「仕事を時間内にしてくれていると感じている。」
3.構造と明確さ「チームの役割、計画、目標が明確である。」(GoogleではOKR(成果指標)という手法を使っている)

4.仕事の意味「仕事に対する目的意識を感じられる。個人のキャリアを大切にしてくれると感じている。」

5.インパクト「自分たちの仕事には大きな意味があり、社会全体に利益を与えている、プラス影響を与えていると感じている。」

過去成功したチームを振り返る

私がなぜGoogleの研究結果を引用したかというと、私が過去見てきたチームで成功したチーム、失敗したチームに当てはめて考えると非常にうまく当てはまったからです。

例えば業務改革チームを任されたときは、
1.心理的安全性
3.構造と明確さ
4.仕事の意味
5.インパクト
についてかなり意識的に実践していました。当時はGoogleの研究結果のことは知りません。

部下が何を言っても否定するのではなく、なんでも言えるような場にしたかったので、ちょっとそれは無茶だなぁ、という提案も

「何がきっかけでそれを思いついたの?」

と聞くようにしました。ビジネスには明確に間違うこともありますが、どれが成功になるのかはある程度やってみないとわからないことがあります。

頭から否定すると必要なアイディアが出てこなくなる。それが最も怖かったので、意識的にGoogleがいう1.心理的安全性は気を使ってやっていました。

2.構造と明確さについては、誰が何をどこまで担当し、いつまでに仕上げること。もし、わからない、達成できない、難しい、と感じたら遠慮なく相談して欲しい。実際、何度同じ聞かれても、嫌な顔を出さないように対応しました。
(何人もの部下から、「なぜ嫌な顔もせずに私たちの疑問に答えてくれるのですか?」と聞かれたので、嫌な顔はしていなかったと思います)

4.仕事の意味については、一人ひとりにかならず言っていたのが、

「この仕事のこの部分はどこの会社に行っても通用する内容だ。かならずあなたのこれからの人生に活きてくる。キャリアアップできる。だから今の仕事を終わらせるだけではなく、未来につながっていることを意識してやって欲しい。」
これを言うと言わないでは動きが変わってきます。本人の意識も高くなり、クオリティが上がるので製品の品質が上がるのです。

5.インパクトは私たちの仕事が社会に与える影響、どんな意味があるのか、何を目的にしているのかについてもよく話しました。その視点があると、それを踏まえたうえで

「今の作業についてどう思う?」

と質問すると深く考えるようになります。そしてよりいい提案が出てくるようになるのです。

これらを積み重ねることにより一人ひとりの力が引き出され、チームワークもよくなります。
そのチームから出た実績は年間のPC作業時間1万時間の短縮とコスト削減と受注拡大により3億円の成果を出すことができたのです。

よいチームとは能力の高いメンバーが集めることではありません。もちろん能力が高いほうがよいのは間違いないのですが、バラバラだと何の意味もありません。そこその能力でも前向きに協力的なチームのほうがよりよい成果を出すことができます。

ぜひご自身のチームでも活用してみてください。

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