なぜチームのコミュニケーションが活発化しないのか
社内外問わずコミュニケーションが非常に重要であることは当たり前となってきました。
しかし、重要であるにもかかわらずうまくコミュニケーショがとれない、と悩む人がいるのではないでしょうか。
ここではチームのコミュニケーションに焦点をあてて話を進めていきます。
コミュニケーションが活発になるメリット
コミュニケーションが活発化すると様々な良いことが起こり始めます。
ミシガン大学である研究が行われました。
それはどのような会話をすれば脳の機能を上げることができるのか、というものです。
男女を5つのグループに分けて実験を行いました。
1.バトルするような仕事で対立が起きている、競争的な会話をするグループ
2.目的を持って、コラボしてどうやってやるかという協力的な会話をするグループ
3.ただ仲良くなれたらいいな程度の親和的会話をするグループ
4.パズルを解くなど脳トレをしながら会話するグループ
5.何も話をしないグループ
もっとも脳の機能が高まったのは、3.の親和的会話をするグループでした。
チームにおいてもっとも重要なことがただ何気もない会話ができることが大切であることを教えてくれる結果ではないでしょうか。
Googleでは24時間、こいつといてもやっていけそうか、という言うなれば『仲良くやっていけそうか』ということを重要視してチームを組むといいます。
Googleのチームの生産性を上げる研究、プロジェクト・アリストテレスでも心理的安全性が高いチーム、つまり何を言ってもバカにされない、何気ない会話ができるチームが生産性が高いチームであると結論付けています。
コミュニケーションを高めることにより、
・チームメンバーのモチベーションが高くなる
・問題解決のスピードが速くなる
・チームや会社のビジョンの共有ができる
・離職率低下
・イノベーションが起きやすくなる
という大きなメリットを得ることができるのです。
では何をすればコミュニケーションを高めることができるのでしょうか。
方法はいくつもあるが…
コミュニケーションを活発化する方法はいくつもあります。
・ランチを共にする
・Yahooが取り入れている1on1面談
・レクリエーション
・互いのことを知るために偏愛マップなどをつくり共有する
・ペーパータワーやマシュマロチャレンジなどの実施する
最近聞いたある社長の話では「最近の若い人たちは飲み会をすると言っても全然来ない。」と嘆いていました。
飲み会に行くぐらいだったら自分のやりたいことをしたい、という若い人は増えているようです。最近多く取り入れられているのはランチを共にするというものです。
参加するのに飲み会ほど重くはないため、気軽に参加してくれると好感触を得ている企業が多いと聞きます。
ヤフー株式会社では1on1面談で成果を出していることで有名です。週に1度30分程度など定期的に実施し、進捗管理だけではなく悩みや課題の相談にも乗り、上司はその内容をフィードバックして成長を促す、という方法です。
レクリエーションはインドア、アウトドアに限らず部署の中で何かに取り組みコミュニケーションを活発化させるという方法です。
偏愛マップも面白い試みです。自分が好きなモノ(マンガや食べ物、趣味など)を1枚の紙で言葉や絵で表現し、互いに見せ合います。意外な人と同じものが好きだったりすると盛り上がることがあります。好きなモノを共有できるというのはコミュニケーションを活発化させます。
チームビルディングでよく行われるペーパータワーやマシュマロチャレンジもコミュニケーションを活発化させます。チームで一つの課題に取り組み、よりいいものをつくっていくという過程はコミュニケーションを活発化にもってこいです。
まだまだ方法はたくさんありますが、コミュニケーションを活発化するうえで大切なことがあります。これがなければどんなによい方法をとってもコミュニケーションは活発化しません。
コミュニケーションを活発化する最大の要因は『幸せ』
どんなに方法論を学んでもフォース(魂)がともなっていなければ使いこなせない
私がもっとも大切にしている言葉の一つです。
コミュニケーションを活発化する方法をいくら学んでも、知っていても肝心の想い、魂がともなっていなければ効果を発揮しないのです。
その想いとは、
「目の前にいる人を幸せにする」
という想いです。この想いがなければどんなに素晴らしい方法を知っていても使いこなせません。
寿司職人は目の前にいるお客さんを見ながら寿司を握ります。想像力と感性を働かせ、何をどんな風にすればお客さんに喜んでもらえるか、美味しいと感じてもらえるか、を感じながら寿司を握ります。
一言でいえば来ているお客さんを「幸せ」にするために寿司を握っているのです。
コミュニケーションにおいても最も重要なことは話す人に「幸せ」になってもらう、という心構え、想いがとても重要なのです。
何の欲もなく、見返りを求めない、ただ仲良くなろうという会話が脳の機能をアップさせるというのは大変面白い結果です。
これも一つの「幸せ」につながるからだと私は考えています。
逆に言えば、自然に相手のことを幸せにしようという想いが沸いている人であれば、どの方法をとってもコミュニケーションがしっかりとれるようになります。
どんな方法をとってもうまくいかない、というのであれば原点の自分の想いがどこにあるのかを見つめてみましょう。
自分が変われば世界は変わります。