ほめる指導ではなく〇〇する指導
「パパってあんまりほめないよね。」
子供と話していた時、そう言われました。私は子供をあまりほめません。その代わり大切にしていることがあります。
ほめる指導ではなく観察する指導
「ほめられてうれしくない人はいません」と言いますが、本当にそうでしょうか。
普段あまり面倒を見てくれない人、適当なことばかり言っている人からほめられると人によっては、
「なんだよ。適当なこと言いやがって。調子のいいやつだな。」
となります。
ほめる指導を否定する気はありません。ただ何が何でもほめて指導するということに疑問があるのです。
元中日ドラゴンズの落合さんは監督時代、いっさい選手をほめなかったそうです。それでもリーグ優勝4回、日本一1回の成績を残されています。ドラゴン時史上、最多の優勝回数を誇る監督です。
アドラー心理学では「人をほめてはいけない」といっています。それよりも「勇気づけること」「共感すること」が大切であるといっています。
ほめる指導でもなくしかる指導でもない
私がもっとも重要視するのは「観察」です。
たとえば子供と公園に遊びに行ったとします。私はスマホをほとんど見ることなく、ただ子供を見守ります。末の娘は保育園の年長で自転車の練習をしています。
小さい時からストライダーに乗っていたのでスムーズに自転車に乗れるようになりましたが、立ちこぎがなかなかできません。
娘は
「もうできない!」
と半泣きです。
「大丈夫。かならずできるようになるよ。」
と声をかけるだけ。
何度もやっているうちに少しできるようになったところを見逃さずに
「おお。少しできたね。」
と見ていて感じたことを伝えます。
これの繰り返しです。3人ともそうやって見てきました。
仕事では山本五十六さんではないですが、
「やってみせ、やらせてみて」
から入ります。
よく言っていたのが富士山を登頂する例え話です。
「この仕事の目的は○○。ゴールは○○だ。それを達成するためのルートはいくつも存在する。富士山を登頂するのもいくつかのルートがある。ようはゴールすればいい。私はこのやり方でやっているが、これが正解というわけではない。一人ひとり考えてやってみてほしい。」
そして一人ひとりのやっていることを観察します。面白いことをしている部下を見つけたら声をかけます。
「なんでそれをしようと思ったの?」
それをする経緯やきっかけを聞きます。なにかしら思いがあります。それを聞きます。
「どういう結果になったか後で教えてほしい」
とも伝えます。
失敗するかもしれない、と思ってもやってもらいます。あくまでも「かもしれない」なのでやってもらいます。もちろん私がやって失敗したことは伝えますが、少し新しいことをしていたらそのままやってもらいます。
そのあと、部下から状況を聞くと
「失敗しました。」
「ここはうまくいったのですが、どうしてもここが…」
と教えてくれます。
その結果や状況を見て私が思うところ、言いたいところはあるのですが、
「どうしたらいいと思う?」
と聞き、本人の思っていることを聞いた後、
「私だったらこうするけどどう?」
と言います。
そして私の言っている理由や背景も簡単に説明します。
仕事の関係上、どうしても切羽詰まっているときはできませんが、極力自分で答えを導出せるようにします。
このようなやりとりでもっとも大切なことは「観察」です。
ほめることよりも圧倒的に私は「観察」することに重きをおいていました。
あきらかにそのやり方のほうが部下が動いてくれる、育ってくれるからです。
ほめるよりも感謝
私はほめることよりも感謝することに重きをおいていました。
子供たちと接するときも感謝に重きをおいています。
人はだれでも少なからず「人の役立ちたい」という思いがあります。そしてその思いが行動になります。子供だったらお手伝いをしてくれる、などです。そのときにほめるのではなく、感謝します。
「ありがとう。助かったよ。」
と声をかけます。
仕事でも部下が少しやってくれたことでも
「ありがとう。助かったよ。」
といいます。
下手にほめるよりも感謝のほうが効きます。
与える→感謝する→与えるのループをつくりたい
人間関係において
「与えること」
「感謝すること」
が最も大切だと考えています。
夫婦においてもこれがもっとも重要であると考えています。
「あなたは〇〇してくれない!」
「お前は俺のためになにもしてくれないじゃないか!」
とやり合うよりも
「何がしてやられるかな。」
と考え、行動するほうがうまくいきます。
妻と接するとき、子供と接するとき、部下と接するとき、人と接するときに大切なことは
「与えること」
「感謝すること」
です。
観察する→フィードバックする(見て感じたこと、変化したところを伝える)
というのも「与えること」です。
無理にほめたりしかったりする必要などありません。
観察→フィードバック、そして感謝する。これで人とチームは伸びます。