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チームを本気にさせるチームビルディンの3つのポイント

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どうせやるなら本気にでやりたい

チームの一人ひとりを本気にさせる。
簡単にはできないことです。

1年間1勝もできなかった中学のサッカー部のコーチをしていたときのことです。

最初の練習を見て気付いたのは、試合に勝つための練習になっていなかったことです。何のための練習なのか、試合のどのシチュエーションで役に立つのか、というイメージができていない練習が多かった記憶があります。

そのため、試合に必要な練習、実戦的な練習を増やしました。おもにミニゲームをたくさんやりました。

これを積み重ねていけば勝てる。簡単に考えていました。

3ヶ月が経った頃、技術的なレベルは上がってきたのですが、チームに一体感がない。勝てそうで勝てない。

正直、こう思いました。
「なんで生徒たちは本気にならないのか。俺の言う通りやれば必ず勝てるのになぜやらないんだ。」と。

勝てないことを生徒のせいにしていました。いま考えれば最低の指導者です。

あまりにもうまくいかない、生徒たちとの心も離れていく感じがする。
もう辞めてしまおうかと考えました。

同時に恐怖感が私を襲いました。

「もし、ここで辞めてしまったらすべて終わってしまうような気がする。サッカーが大好きで、はじめたことなのに、ここで投げ出したらすべてうまくいかないんじゃない。」
そう思ったのです。

名指導者の言葉

私は気付いたら本屋にいました。とにかく勉強しよう。そう思ったのです。
サッカーの練習本をたくさん買い込みました。
また名指導者の本もたくさん買いました。

サッカーに限らず、野球の野村監督の本や、バスケットボールのフィル・ジャクソンの本、ベンゲル監督の本などを読みました。

もっとも参考になったのは名指導者たちの言葉でした。印象に残っているの言葉は、
「負ければ監督の責任。勝てば選手のおかげ。」
でした。

私はショックを受けました。私とはまったく正反対の考え方だったからです。
そこから私は考えを180度転換します。

とにかく私の信念、想いを変える必要があることを感じた私は、これまで生徒を上から目線で指導していたことを辞めました。

例えばスパイク磨きです。

これまでだったら生徒たちにはやれというが指導者はやらない、といういま考えたら恥ずかしい、最低の行為を平気でやっていました。

私はまず自分からスパイクを磨くことからはじめました。
そして誰にもやれとは言いませんでした。

ある生徒が聞いてきました。

「コーチ、なんでスパイク磨きはじめたん?」

「うん。やっぱりいろいろ勉強したら道具を大事にせなあかんな、って気付かされた。やっぱり気持ちいいもんやわ。皮は柔らかくなってボールのフィーリングが良くなったように感じる。
お前も道具大切にしたらきっとお父さん、お母さん喜ぶぞ。そうしたらもっといいスパイク買ってくれるんとちゃうか。」

というような話をした記憶があります。

そうしたら生徒は道具を買ってきて磨き始めたのです。それが伝染して多くの生徒がスパイクを磨くようになりました。

まず自分が変わる

私は気付かされました。やっぱり指導者が問題、俺が問題だった。生徒たちはこんなにも素直だった。俺が変わっていったら必ず生徒も変わる。もっともっと勉強しないといけない。

ということに気付かされたのです。

ここからチームは変わり始めました。私は試合になってもほとんど試合中に声をかけなくなりました。以前は、「何やってるんや!」と怒っていたのですが、冷静に見れるようになり、試合を見て足りないところ、次の練習メニューを考えるようになりました。

試合後は、私から話をするのではなく、生徒たちの意見を聞くようにしました。

今日の試合で感じたことは何か。
なぜそう思うのか。
何が問題だと感じたのか。
次はどんな練習をするべきなのか。

そのような話を聞いた後、私から試合を見た印象と改善のための練習メニューを提案し、互いに納得してから練習メニューを決めるようになりました。

私はある本を読んで、練習をもっと短く、効率的にやるほうがよいと書いてあり、試してみようと思いました。

次の日、いつもより1時間早い時間で練習を切り上げるよう指示をすると生徒から、
「何でこんな明るいのに練習辞めるん?まだまだ練習できるやん。コーチもっとやろう。」誰一人反対する生徒はいませんでした。生徒の顔を見ても不満そうにしている生徒は一人もいません。

効率よくやろうと思いましたが、生徒たちの真剣なまなざしや態度から効率化よりも大切なことがあるのではないか、と直感的に思いました。そしてこう思いました。
「このチームはかならず強くなる。」
と。

その後、チームはメキメキと力をつけ、全国大会出場チームと互角にやり合うチームにまで成長しました。

チームを本気にさせる3つのポイント

そのときはただただ無我夢中でやっていましたが、いま分析すると生徒たちが本気になったのは3つのポイントがあることに気が付きました。

1、信念・想い
2、信頼
3、楽しむ

まず私の信念、生徒に対する想いが変わりました。その変化がチームを変えていきました。
そして信頼です。

「負ければ監督、指導者の責任。勝てば生徒たちの頑張り。」
本気でそう思うようになり、また試合前にもそのように声をかけました。
そうすると生徒たちの目の色が変わるのがわかったのです。

そんなことを重ねていくと、ある生徒のお母さんから、
「うちの子が毎日サッカー部に行くのが楽しいというんです。どうやって指導しているんですか?私たちにできることは何かありませんか?」
と言っていただきました。

その方から保護者会ができ、本当に支えていただきました。

また顧問の先生は私を全面的に信頼してくれ、私の指導に一切口をはさむことなく支援していただきました。

そんな信頼関係があったからこそ結果がでたのです。決して私一人の力ではありません。すべてチームが一つになった結果です。

最後は楽しむということです。
とにかくサッカーを純粋に楽しもうと。楽しいことで負ければ悔しい。だからもっと心の底から楽しむためには勝ちたい。もっとうまくなりたい。互いにそう思うようになりました。

この経験は仕事でも多いに生かすことができました。

でもこの経験を忘れて調子に乗って失敗したことも何度もあります。
失敗したときは3つのどれかが欠けていました。
とくに信念・想いは本当に重要です。目的やビジョンと言い換えることもできます。

目標を共有すべき、と様々な本で書かれていますが、目標の前に信念・想い・目的・ビジョンが大切です。英語でいえばWHYです。

なぜ。なんのために。

チームを受け持ったらまず信念・想いを決めましょう。信頼や楽しむについてはまたの機会に。

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